大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(ネ)2191号 判決

破産管財人は破産宣告を受けた債務者の破産宣告当時に有した全財産を管理処分する権限を有するけれども、破産者の代理人としてこれをなすものと解すべきではなく、また破産債権者のため破産財団に属する財産を換価してその売得金から個々の債権者に配当的弁済をする権限を有するけれども、破産債権者各人の代理人としてこれをなすものと解すべきではないから、控訴人を本件通謀虚偽表示における当事者即ち新東または日通と同一視することはできない。破産管財人は、破産宣告によつて総破産債権者のために共同的に差し押えられたと同様の効果をもつに至つた破産財団から、専ら破産債権者に対し公平に弁済する等、破産手続遂行の中心的機関として公の職務を有すると解すべきであるから(大審院昭和三年一〇月一九日判決民集七巻八〇六頁参照)、当事者とは異る第三者と謂うべきであつて、しかも破産宣告と同時に裁判所から、当事者と関係のない者の中より選任せられるのであるから、それ以前に生じた事項については特別の事情の認められない限り、善意の第三者とみるべきである。被控訴人のいうごとく控訴人が多年の経験を有する弁護士であることは、当裁判所に顕著であるけれども、それは別段特別な事情とは言えないし、その他本件において特別の事情と認めらるべきものはない。

(斎藤 坂本 小沢)

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